所   信

 

 

公益社団法人 新庄青年会議所

 第60代理事長 佐藤 元太

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~はじめに~  

 

 明るい社会の実現を理想とし、1949年に公益社団法人日 本青年会議所が設立され、共に向上しあい、社会に貢献しよ うと各地に青年会議所が誕生しました。新庄もがみ地域にお いては、1964年に有数の経済都市に発展すべく、「修練」 「奉仕」「友情」の三つの信条のもと、日本で299番目、山形 県内では3番目に新庄市を中心とした8市町村を活動エリア とする新庄青年会議所が誕生しました。1979年に社団法人 格を取得し、2012年公益社団法人への移行を経て、本年で 60年の節目を迎えることができました。これも偏に地域の 皆様、行政の皆様、協力団体様や企業の皆様、そして新庄青 年会議所の想いをつないでいただいた先輩諸氏皆様の多大な るご支援ご協力のおかげだと深く感謝申し上げます。  人々の動きが活発になっている近年、1984年に事業化さ れた東北中央自動車道は、福島から新庄真室川ICまで開通し、 秋田県横手市までの全線開通の見通しはたちつつあります。 また、新しい山形県立新庄病院の開院や東北農林専門職大学 の開学、最上町の道の駅もがみがオープンするなど社会の状 況が変化していると感じています。時代が変わるにつれて、 快適な生活環境が整う一方で、その時の問題や課題に真摯に 向き合い、解決する糸口を私たちが見つけ出し、新庄もがみ 地域の住民がまちづくりに参画する意識を醸成させ、もがみ が一体となって立ち向かう必要があります。  2024年度は、60年の想いを大切にし、現代社会のニーズ に応えた事業を展開するとともに、郷土の豊かな自然と文化 を守り「もがみは一つ」を謳い続け、誰も取り残されない持 続可能な多様性のあるまちづくりを実現するため邁進して参 りましょう。

 

 ~人を想う拡大の実践~

 

 新庄もがみ地域において、東京圏への人口流出や少子化に より青年が減少している一方、新庄青年会議所は2018年度 会員拡大を成功したのを皮切りに多種多様な青年が集い、運 動を展開してきました。しかし、まだまだ出会っていない青 年がこの地域へ存在し、これから社会的な立場を担う情熱を もった同志とともに成長していかなければなりません。  2013年に入会した私は、今を振り返ればまだまだ無知だっ たと感じております。それは、新庄もがみ地域の魅力、伝統、 文化、この地域で活躍する先輩や素晴らしい同志を知らなか ったためです。無知な私を快く入会させて頂き、先輩からは 昔の青年会議所の体験談や伝統、時には指導をして頂き、一 緒に事業を構築する会員には、私には無い意見やアイディア を頂戴し、徐々に私の心は醸成され目先の損得で動く感情か ら人のために動く感情へと変わることができたと思います。 会員候補者へ新庄青年会議所の素晴らしさを「伝える」では なく「伝わる」ことが重要で、相手が理解した上でともに手 を取り合い一歩踏み出すことで、新しい未来を創造できると 思っています。  地域の住民からより共感を頂ける大きな運動をするために、 新庄もがみ地域全体の青年の情報を収集し、相手のことを想 い、情熱を伝え、新しい仲間との出会いからお互いが切磋琢 磨し、そこから生まれる友情や感情が自身の成長へと感じる ことで、新庄もがみ地域を担う責任をもったリーダーを育成 してまいります。

 

 ~地域愛にあふれたひとづくり~

 

 私の住み暮らす地元に数十年後、子供、孫、私自身が居る のだろうか。不図、考える時があります。私は、真室川町に 在住し小学低学年の女の子と保育園児の男の子、2人の子供 がいます。周りには、田んぼや畑、川などの自然があふれ、 車で5分圏内に真室川駅や小学校、保育園、病院、温泉施設、 公園などがあり、地域に根差した伝統や文化の魅力があふれ、何不自由ない生活を送ることができます。しかし、人口減少 している現状では、今存在している施設の減少や管理不足、 後継者がいないため伝統や文化の継承ができないなど多くの 不安要素があると考えます。  新庄もがみ地域には、ユネスコ無形文化遺産の新庄まつり を筆頭に金山まつり、最上まつり、舟形鮎っこまつり、真室 川まつり、おおくら雪ものがたり、まるごとさけがわ鮭まつ り、角川サマーパーティー、そして新庄青年会議所が主催す る新庄雪まつりなど、小規模を含めると多くの祭りがありま す。その中で私は昨年の新庄まつりの神輿渡御行列に参加さ せて頂き、長年続いた文化や神事に携わり、この地域への誇 りが醸成され、担い手が少ない中、少しでもこの地域を盛り 上げていきたいと感じました。誰もがそのような経験をする ことができる環境の中で、大人が子供たちの背中を押し、新 庄もがみ地域の伝統や文化、魅力を伝えていくことが私たち の使命だと思っています。  持続可能な地域にしていくために、地域の宝の子供に私た ち大人がきっかけを与え、何事にも取り組む向上心を育み、 心に残る強い思い出の機会を提供するとともに新庄もがみ地 域の魅力を伝え、地域愛にあふれた青少年を育成する取り組 みを行っていきます。

 

 ~自然が織りなすまちづくり~

 

 2023年は全国的に、気候変動による異常気象で豪雨によ る洪水や猛暑となり、新庄市では、昨年8月24日新庄まつり 初日に観測史上最も高い37.8℃を記録し、熱中症対策で各種 イベントや学校の運動など延期や中止が余儀なくされており ます。その異常気象の原因が、人間活動による地球温暖化が 原因だと2021年に国連のIPCCが断定し、企業や団体、個人 が温室効果ガス削減に向け行動をおこしておりますが、これ 以上の地球温暖化を進めないためには、個々の意識をより高 めていかなければなりません。また、私たちが住み暮らす新 庄もがみ地域の森林面積が約78%を占めており、森林が温室効果ガスを吸収する大きな役割を担っており、自然を大切に し、自然を活用したまちづくりが地球温暖化対策へ寄与でき るのではないでしょうか。温室効果ガスの削減のために私た ちにできることは決して難しいことではなく、毎日省エネを 実践するだけでも大きな効果につながっていく。こういった 意識を一人ひとりがもつことで、未来の新庄もがみ、そして 地球の姿を大きく変えていくと考え、自然とまちを融合し、 住民ひとりひとりが環境問題を向き合い意識を醸成する運動 を事業に付与して展開していきます。

 

 ~地域を主体とした広報活動と多様性を尊重した組織力強化~

 

 8市町村を活動エリアとする新庄青年会議所の運動を多く の人に共感していただくために、ホームページやSNSを利用 し情報を発信してきましたが、運動や活動に限らず地域に根 差した広報活動が必要と考えます。まずは、会員が住まう地 域の魅力や催事を集約しスポットをあて、関係機関と連携し お互いの情報を発信する関係を構築していきます。また、会 員の活躍は青年会議所だけではなく、仕事や他団体で活き活 きと活動している姿を発信することで、誰もが輝ける青年会 議所を広く伝播していきます。  そして、これまで構築してきた組織力をさらに強化してい くために、育児世代である会員が家庭や仕事、JC活動を両 立しながらも活躍できる子育て支援等を積極的に行なう育 LOMを推進し、会員の多様な意見を取入れ活気のある笑顔 が生まれる青年会議所を構築していきます。

 

 ~強靭な地域防災体制の構築~

 

 日本各地で異常気象による自然災害が多発しており、新庄 もがみ地域においても平成30年と令和2年の豪雨災害が記憶 に新しく、道路の崩壊や護岸決壊、各地で浸水被害が多発し ました。実際に発災した際の初動体制を把握し、関係機関と 意思疎通を行わなければなりません。  発災時に迅速かつ的確な対応を行う知識や災害ボランティアセンター設置後に連絡体制を表面化するため、災害時初動 体制マニュアルを確立し、関係機関に周知するとともにさら なる協力体制を構築していきます。また、私たち会員は、各 市町村の注意報を注視するとともに、情報を共有し、防災の 当事者意識を醸成していきます。

  

 ~公益社団法人新庄青年会議所創立60周年~

 

 1964年に設立した新庄青年会議所は、歴史と伝統を引継 ぎ、本年で60年となりました。先輩諸氏が、ひとづくりの ため、まちづくりのため、青少年のため運動を興し、時代に 合った事業や組織運営を行ってきた御蔭で、今の会員が笑顔 で運動できることに深く感謝するとともに、今まで以上に尊 敬と敬意を私たち会員が実感し未来へ引き継ぐ必要がありま す。60周年記念事業では、新庄もがみ地域のすべての人に 感謝を伝えるために、これまでの地域の発展と明るい未来を 創出する事業を行い、式典では、行政を始め今まで協力して いただいた団体と歴史を紡いで来られた先輩諸氏へ感謝の心 と私たちが目指す未来のビジョンを伝えるために、創立から 今までの歴史をたどり当時抱いた熱い思いを呼び起こし、新 庄もがみ地域の未来へ希望あふれた事業を展開していきます。

 

 ~結びに~

 

 ただ真っすぐに一本の道を歩むのは美しいと思います。し かし、普通はそうはいきません。迷い、間違い、回り道もし ます。それでいいと私は思います。振り返ってください。あ っちにぶつかり、こっちにぶつかり、迷いに迷ったあなたの 道は、きっと誰よりも広がって、周りには大切な仲間が笑顔 で支えてくれるでしょう。  私たち青年は、失敗を恐れず地域の課題に向き合い、未来 を考え、多くを学び、時代に添って一人ひとりがBRUSHUP し、仲間とともにより笑顔が生まれる社会の実現に向けて邁 進して参りましょう。