所 信
公益社団法人新庄青年会議所
第58代理事長 橋本 一馬
第1章 はじめに
1965年7月24日、新庄青年会議所は、この地の青年経済人の熱き志により設立され、日本で299番目、山形県内で3番目の青年会議所として認証を受けました。今日まで57年の永きに亘り地域の皆様より新庄青年会議所の運動に対しましてご理解とご協力を賜りましたことと、多くの先輩方により弛みなく運動を継承して頂きましたことを深く感謝申し上げます。
1949年、日本の戦後間もない復興期の混沌の中、「新日本の再建は我々青年の仕事である」との使命感と高い志をもった有志青年達により、明るい豊かな社会の実現を理想として、日本の青年会議所運動は始まりました。その後、日本各地にその想いと青年会議所運動は拡がり、57年前に誕生した新庄青年会議所は、その時々の時代に即し、革新を繰り返し、今も、新庄もがみ地域から集った仲間と共に地域課題と向き合い、多くの人々を巻き込んだ意識変革運動を興し、更なる明るい未来の実現へ向かって邁進しています。
近年、世界的な新型コロナウイルス感染症まん延の影響により、社会活動や経済活動が制限され、人とのつながり方を再構築する必要に迫られました。このような時代にあっても、私たちはたくさんの笑顔が溢れ、活気ある新庄もがみ地域の創造に向けて創意工夫を凝らし、課題の解決策を模索し、率先して行動し、明るい希望を描ける未来を次世代へ手渡していかなければなりません。
2022年度は、ポストコロナの時代をリードする新たな挑戦をすべく、創始の想いを大切にし、持続可能で明るい希望溢れる地域の実現を目指し、現状を越えて、さらなる先の未来へ運動を前進してまいります。
第2章 新庄青年会議所で出会う仲間との絆と刺激の中で磨かれる青年の成長
2012年、私は、新庄青年会議所に入会し、たくさんの信頼し合える同世代の仲間と尊敬できる先輩方と出会うことができました。また、青年会議所では、仕事や普段の生活では得ることのできない経験があり、実体験を通して地域を学び、人を学び、組織を学ぶことができました。
実体験を通して得たものは、オリジナルの学びとなり、生涯の財産となります。人生の20代から30代の時期に青年会議所で培われた経験は、その後の人生の背骨(バックボーン)になり、様々な課題に向き合う際にも役立つ考え方の基軸を形成することができます。
また、人は人によって磨かれ、刺激を受け、切磋琢磨することで精神的に成長し、原動力を得ることができます。多くの仲間との出会いとかけがえのない絆は、青年に勇気を与え、人生を豊かにします。
そして、多くの青年が青年会議所に入会して運動に参加することにより、より一層、人と地域を良くする運動を展開することができると確信しています。
この新庄もがみ地域には、まだ新庄青年会議所と出会っていない多くの青年がいます。新庄青年会議所は入会した青年に多くの機会を与えることができ、入会者には多くの得るものがあるという確信をもち、入会候補者のためになるという信念をもって、さらなる多くの仲間を求めてまいります。
第3章 新庄もがみ地域の未来をともに形作る
新庄青年会議所は、創立以来、明るい豊かな社会の実現を理想として、新庄もがみ地域で青少年育成事業、ひとづくり事業、まちづくり事業など、多くの事業を行ってまいりました。近年は、国連の採択したSDGs(持続可能な開発目標)を推進し、各事業にSDGsを取り入れて実践的な取り組みを行い、明るい未来への希望を描ける、豊かで、持続可能な地域社会の実現を目指し運動を展開しています。
新型コロナウイルス感染症まん延の影響がある時代においても、新庄青年会議所は、地域課題の解決に向け、多くの人々との相互理解を図り、共通の利益(コモン・グッド)の実現に向け、地域のパートナーと協働し、ウィズコロナ、アフターコロナの時代をリードする新たな挑戦をし、運動の輪をより一層拡大してまいります。
1 新たな価値を創造する青少年の心の育成の推進〔青少年育成〕
青少年は地域の未来への希望であり、地域の宝です。青少年が希望をもてる明るく豊かな地域の未来を、私たち現役世代は引き継いでいかなければなりません。青少年が、原体験を通した地域での学びを生かし社会的課題を自ら解決しようとする生きる力を身につけ、自律性と協働性のある人財へと成長できるよう、見守り、手助けしていくことが大切です。
グローバル化と科学技術の進展により、地域社会においても国際社会の影響を大きく受け、様々な課題の解決に対して科学技術の進歩が不可欠な時代になりました。国際社会への理解を深めることは、地域社会で起きている事柄を理解する上で有益であり、また、最新の知見に触れることも未来の担い手である青少年にとって必要です。様々な観点をもち合わせて自分の生まれ育った地域の優れた面や伝統文化、芸術の価値を感じるとき、新しい時代の愛郷心の価値が創造されます。
新たな時代に即した観点から、青少年が地域の良さを発見し、新庄もがみ地域への誇りや愛郷心が醸成される心の教育が重要であり、新庄青年会議所は、次世代の地域の担い手となる青少年を育成する取り組みを行ってまいります。
関連するSDGs:
ゴール4「すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」
など
2 誰もが安心して住みよい持続可能な地域共生社会の実現〔ひとづくり〕
最上地域の人口は、自然増減、社会増減ともに長年減少し、人口減少率は山形県内の他地域より高くなっています。今後も誰もが安心して住みよい持続可能な新庄もがみ地域を実現するためには、地域社会の担い手を育むことが大切です。そして、男性も女性も子どもも高齢者も障がいのある人も、健康で生きがいをもって幸せに暮らし、個人としての基本的人権が尊重され、誰一人取り残されない安心して住みよい持続可能な共生社会の実現に向けた取り組みが重要です。
そのような明るい豊かな社会を実現するため、障がい者が社会参加しやすい環境や、男女ともに子育てと就労しやすい環境や、心と体の健康づくりなどを推進すべきです。
ひとづくりはまちづくりであり、誰もが活き活きと暮らせる地域の価値が共有され、地域の担い手が増えていくことがこの地域を希望溢れる持続可能な地域にすることにつながると確信しています。未来に希望のもてる地域共生社会の実現へ向け、地域に暮らす人たちの豊かな人間性の涵養に寄与するひとづくりの取り組みを行ってまいります。
関連するSDGs:
ゴール2「ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る」
ゴール3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」
ゴール8「すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい
仕事)を推進する」
など
3 レジリエント(強靭な回復性があり)かつ環境に優しい魅力的な地域社会の実現~防災と環境を考え行動するまちづくり~
〔まちづくり〕
近年、新庄もがみ地域を含む山形県内においても毎年のように豪雨災害や土砂災害などの自然災害が想定を超えるような規模で発生し、住民の生活の脅威となっています。世界的な気候変動により、今後も大規模な台風や豪雨災害の発生が予想されている中、気候変動に対して、より一層実践的な取り組みが求められています。
また、新庄もがみ地域の広い範囲で、新庄盆地断層が存在しており、今後大きな地震が発生する可能性があります。
近年の新型コロナウイルス感染症のまん延を契機として、災害対策に感染症への対応も考慮に入れて災害に強いまちづくりを考える必要が生じました。
災害や危機から家族や大切な人の生命、身体、財産を守るために常日頃からの備えが大切であり、災害時に迅速かつ的確に行動できる地域防災体制の促進の取り組みを行ってまいります。
関連するSDGs:
ゴール11「包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市と人間居住を実現する」
ゴール13「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る」
など
4 民主主義政治に対する当事者意識をもち、より良い未来へ自ら行動しよう
これまで新庄青年会議所は、新庄もがみ地域で行われる選挙について、中立公平な立場から公開討論会を企画運営し、住民が政策に触れ、民主的プロセスにより政治選択を行う機会を創ってきました。
平成28年6月19日の改正公職選挙法の施行により、満18歳以上に選挙権が引き下げられてから、およそ5年が経ちましたが、50代から70代の投票率が70パーセントを超えるのに対し、18歳から30代の投票率は50パーセントを下回り、依然として若者世代の投票率が低い傾向は変わっていません。
今後も、あらゆる世代が地域社会のことを自分事として捉え、自分の投票行動が地域の未来を選択することにつながるという当事者意識をもち、主体的に民主主義政治に参画することに寄与する機会を創出してまいります。
関連するSDGs:
ゴール16「持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて
効果的で責任ある包摂的な制度を構築する」
など
第4章 運動の価値と共感の輪を拡げる
新庄青年会議所の運動に多くの人の共感を得ることができ、多くの人を巻き込むことができれば、多くの人の意識変革につながるインパクトのある事業を構築することができます。
まずは、新庄青年会議所の運動の意義と本質を捉え、その上で、ヴィジョンへの共感を得て、連携するパートナーとの関係性を構築し、協働につなげます。また、広報は、ブランディング、PR(パブリック・リレーションズ)、プロモーション(推進)、コミュニケーションなどの視点を取り入れた広報戦略に基づいた計画的な手法でなされるべきです。
広報戦略に基づいた発信により、新庄青年会議所の運動の価値や魅力を効果的に伝え、運動の輪を拡げてまいります。
第5章 新庄青年会議所が目指す組織革新
新庄青年会議所の運動に参加すればするほど、会員にとって学びと経験になる機会は増えていきます。そのため、会員が積極的に参
加し、挑戦することを選択できる環境を整え、会員の成長や向上につながる組織革新を行っていくことが重要であると考えます。
近年、ITが普及し、今後は、Society5.0の実現に向けたDX(デジタル・トランスフォーメーション)の取り組みを推
進する動きが社会的に進められています。このような時代の流れを捉え、新庄青年会議所も進化したデジタル技術を取り入れて作業の
効率化を図り、時間を短縮することにより、個人が時間をより一層有効に使えるようになり、家族と過ごす時間が増えたり、新たなア
イディアを考案する余裕が生まれることにつなげるべきであると考えます。作業効率化を目指しながら、これまで新庄青年会議所が確
立してきた精緻な準備に基づく運動の質や価値の高さも確保し、これらを両立していくことが大切です。
また、新庄青年会議所は、個々の会員が自律性をもった青年経済人として新たな事柄に好奇心をもって学び地域社会のリーダーとな
る人財として成長し活き活きと輝く個性が活躍できる組織となる必要があります。新庄青年会議所の運動に参加する会員のそれぞれの
ライフステージを尊重し、会員の家族にもより良い好循環が生まれるよう、組織の在り方を考え、日本青年会議所が推進する育LOM
の認定を目指してまいります。
第6章 山形ブロック大会新庄大会に向けて機運を高めよう
山形ブロック大会は、新庄青年会議所を含む山形県内各地青年会議所及び公益社団法人日本青年会議所東北地区山形ブロック協議会
の運動の最大の発信の機会です。県内各地青年会議所の会員が一堂に会し、県民を巻き込んだ公益性のある大会であり、主管する青年
会議所にとっても、その地域の魅力を発信する最良の機会となります。
2012年、山形ブロック会員大会新庄大会が新庄青年会議所の主管で開催され、当時の会員が大会開催にご尽力されていたこと、
新庄大会では素晴らしい式典と壮大な規模のプログラムを目の当たりにして、当時入会したばかりの私自身、青年会議所運動のインパ
クトを体感しました。
そして、2023年、11年ぶりに、新庄青年会議所が山形ブロック大会を主管することとなります。県内の青年会議所の会員を新
庄もがみの地に迎え、新たな友情や絆も生まれ、新庄青年会議所としても貴重な機会となります。
2022年度は、来たる新庄大会の成功に向けて、新庄もがみ地域の魅力や精神性を再認識し、山形ブロック大会新庄大会に向けた
準備を整え、新庄青年会議所メンバー全員で機運を高めていきましょう。
素晴らしい機会に期待を抱き、さらに先を見据えて進もう!
第7章 結びに
時代の変化の中で新庄青年会議所は、絶えず新たな挑戦と変革を繰り返し、伝統を築いてきました。私たち新庄青年会議所が目指し
追究するものは、いつの時代も変わることなく、明るい豊かな社会の実現であり、新庄もがみ地域の青年により良い発展と成長の機会
をもたらすという使命を果たしてきました。
新たな価値は挑戦と変革によって生まれます。
私たち青年は、新たな時代を切り拓くために情熱をもって挑戦し、いかなる困難も越え、さらに向こうへ踏み出していこう!